2021.10.16
3回にわたってお話してきた口腔ケア第3弾は、ご自宅での口腔ケアで使用するグッズの紹介とその使用方法をご説明します。
歯ブラシ
毛質は柔らかいものを選びましょう。
口腔ケアは歯磨き粉を使わなくても丁寧にブラッシングするとほとんどの汚れは綺麗になります。
スッキリ感がどうしても欲しい時は、高齢者の場合ペーストよりもジェル状の歯磨き粉を少量使います。
泡立ちが少なく、すすぎやすいのでオススメです。
新しくするタイミング★1~2ヶ月
歯間ブラシ
歯の表面よりも、実は歯と歯の間が1番汚れが溜まりやすいんです。
普通の歯ブラシだけで歯茎から出血する人は歯茎に炎症が起こっている可能性が高く、磨き残しが原因です。
歯と歯の隙間は人それぞれ、自分にあったサイズの歯間ブラシを使いましょう。
Y字フロス
Y字になっているフロスは、奥歯に届きやすかったりあまり力を使わないので手軽にやり易いのがメリットです。
注意ポイント!治療した歯(銀歯など)の間に通すと、フロスを外す時に詰め物が取れてしまう事が多いので、Y字フロスは使用を避けましょう。
新しくするタイミング ★1〜2週間程度
フロス
Y字フロスと違って、使用毎に使い捨てするものなので衛生的です。しかし使うのにコツが必要で、特にお口を大きく開けられない高齢者には奥歯などは難しいでしょう。
こちらのフロスは上から通した後、糸を抜くようにすると外せるので、詰め物など外れる心配がないのがいいところ。
タフト
歯並びが悪く普通の歯ブラシで届かない凸凹を得意としたえんぴつみたいな歯ブラシ。
奥歯の側面など、虫歯になりやすいところもしっかり磨けます。
小さく動かして丁寧に磨きましょう。
新しくするタイミング★1~2ヶ月
舌ブラシ
舌苔(ぜったい)と呼ばれる舌についた汚れを綺麗にしてくれます。ブラシ状やシリコン製、スポンジのようになっているものなどたくさんありますね。
シリコン製のものは優しく汚れを掻き出すのに適しており、ブラシ状のものはしっかりと汚れを絡め取ってくれます。
舌苔は細菌の塊なんです。そのままにしておくと口腔内細菌で知らないうちに誤嚥性肺炎になる方もいます。
新しくするタイミング ★2〜3ヶ月程度
口腔ケアスポンジ
歯がない方はスポンジで毎食後ケアをしてあげましょう。色々な形のものがありますが、クルクル回しながら汚れや食べカスを取り除きましょう。
新しくするタイミング ★毎日
義歯ブラシ
義歯専用ブラシは毎食後必ず義歯を清潔にしておきましょう。義歯にも汚れが溜まると歯石がついたり、カビが生えたりするので毎日の洗浄がとっても大切です。
新しくするタイミング ★古いものや、汚れがついているもの
うがいコップ
持ち手がついた掴みやすいものを使いましょう。
コップにたっぷり水を入れておくと、顔を上げずに口に水を含めてムセるリスクを回避できます。ブクブクうがいも、下を向いてブクブクペーしましょう。
開口補助具(デンタルブロック)
認知症などで開口できない方や、自力で開けておくのが疲れてしまう方の口腔ケアをする場合に使います。ケアをする側の人が指を噛まれないよう、怪我を防ぐ目的としても使用できます。
新しくするタイミング ★古くなったり、破損がみられる場合
ウェットシート
うがいができない方、口腔機能が低下している方、寝たきりの方へ口腔ケアの仕上げに、うがいの代わりに使います。使い心地を不快にさせないように、人差し指に巻き付けて、ほっぺの内側、上顎、下顎、歯の表面を拭ってあげましょう。毎回使い捨てです。
保湿ジェル
唾液が少なく口腔内が乾燥している人へ、唾液の代わりとして口腔ケアスポンジを使い全体に塗布します。
舌苔が酷い人へ、舌ブラシでケアをする前にスポンジで塗布してしばらく待つと、汚れが柔らかくなり落としやすくなります。
いずれも1回に500円玉くらいの量が目安です。
最近では甘いフルーツの味や、さっぱりミント味など種類も増えてきました。
口腔洗浄液
いわゆるマウスウォッシュと呼ばれるものですが、アルコールの入っていないものがオススメです。
アルコールフリーは刺激が少なく、ムセ込んでしまうのを回避できます。
いかがでしたか?
簡単に口腔ケアといっても使う道具はさまざまですね。その道具を正しく使うのもとっても重要なんです。
高齢者だし…
歯がないし…
口からそんなに食べないし…
の理由は口腔ケアを疎かにする理由になりません。
無理して食後3回完璧に磨くのではなく、1日できれいにすればよいという気持ちで磨きましょう。
身体の調子が悪い時には飲み薬や塗り薬がありますよね。
お口の調子が悪い時に直せる薬は少ないのです。今日のケアが明日の笑顔に繋がると思っていつもより念入りにケアしてみましょう♪