2021.04.26
「リハビリテーションとはそもそもどのような意味なのでしょうか?」
英語の「rehabilitation」からきていますが、「社会復帰」「復旧」「復権」などと訳されます。
つまり「再びふさわしい状態にすること」「以前の生活状況に戻ることを目指すもの」といえます。
リハビリテーションといえば、歩行訓練や発声練習等をイメージする方が多いと思いますが、実際にはもっと幅広い概念で用います。
世界保健機関(WHO)の定義でも
「リハビリテーションには、能力の低下・障害を持つ方が社会の中で問題なく
生活し、また活躍するための、制度・法律・システムなどあらゆる手段が含まれる」
としています。
身体機能訓練はもちろん、精神的ケア、必要に応じて、職場復帰支援や、車いすでの交通機関の利用支援、
さらには社会制度の活用など社会生活力を高める支援など総合的に行い、
以前の生活・自分らしい生活を取り戻すことを目指します
「どんな方がリハビリテーションの対象に
なるのでしょうか?」
リハビリテーションの対象領域は、大変広く、あらゆる病気やそれに準じたものにより生活の質が低下した状態の方が対象になります。
筋・骨格系疾患だけではなく、呼吸・循環系疾患、神経・精神系疾患、代謝系疾患、などなど、あらゆる疾患の方が対象になります。
もちろん、認知症の方や、大きな病気はなくても加齢とともに身体機能が落ちてきた方も対象になります。
また、リハビリテーションの適応範囲は広いため、下記のような多くの専門家が関わっています。
・理学療法士(PT)
・作業療法士(OT)
・言語聴覚士(ST)
・義肢装具士(PO)
・臨床心理士
・管理栄養士
・介護福祉士
・介護支援専門員(ケアマネージャー)
・社会福祉士(ソーシャルワーカー)
・医師
・看護師
対象者に自分らしい生活を取り戻してもらうために各専門家が協力して、リハビリテーションをおこなっていきます。
「リハビリテーションは
どこで受けられるのでしょうか?」
病院の他にも、介護老人保健施設や特別養護老人ホーム、デイケアセンターなどでも受けることができますし、自宅でも受けることができます。
自宅でリハビリテーションを受ける場合は、各専門家が自宅まで訪問して、その場でリハビリテーションを行います。
詳しくは、かかりつけ医やお住まいの地域の地域包括医療センター・居宅療養介護支援事業所に問い合わせると相談に乗ってくれます。
通院等が難しくなり、自宅で医療やリハビリテーションを受けたい方に関しては、当院でも相談に乗らせていただきます。
(参考)練馬区 地域包括医療センター一覧
https://www.city.nerima.tokyo.jp/shisetsu/koreikaigo/chiikihokatsushisho/index.html
(参考)練馬区 居宅介護支援事業所一覧
http://jmap.jp/facilities/search/type:3/kaigoService:23/searchArea:city/searchId:13120
リハビリテーションを行っても疾患や病状によっては前とは同じ状態まで回復できないかもしれません。しかし、それは「何もできなくなってしまった状態」ではありません。
以前とは違う方法で同じ生活ができないか工夫したり、生活環境を整えたり、
心理的アプローチにより将来への不安を軽くし、
「自分らしい生活」を取り戻していくのが、リハビリテーションなのです。
次回は、各分野の具体的なリハビリテーションの方法についてみていきたいと思います。
タグリハビリテーション, 介護福祉士, 作業療法士, 理学療法士, 管理栄養士, 義肢装具士, 臨床心理士, 言語聴覚士